こがにゃんこプロジェクト

古河のファンをふやす!非公認ご当地ご当地キャラクタープロジェクト「こがにゃんこプロジェクト」

「こがにゃんこプロジェクト」は茨城県古河市非公認ご当地キャラクター「こがにゃんこ」を中心としたプロジェクトです。
自分自身が中学3年生以降を過ごした土地である茨城県古河市のご当地キャラクターを勝手に作って運営しています。
勝手に作った非公認ご当地キャラクターですが、現在では地域で徐々に受け入れられ広まっています。

運営する上で大事にしていることはデザイン思考。
自身が学生時代に専攻したキャラクターデザインゼミの知識を元に、webサービスで培ったUXデザインスキルをあわせて運営しています。

プロダクトオーナー:小太刀御禄
担当:プロデュース全般、キャラクターデザイン、各種デザイン
運営期間:2014年8月〜

地域の課題

郷土愛の希薄化と歴史認知の低さ

茨城県古河市は東京から約1時間。東京への通勤可能なベッドタウンとして地位を築いてきました。
私自身も移住者であったように、とても移住者が多い地域です。郷土愛の薄さに課題がありました。
もう一つの課題は古河の歴史認知の低さです。
紐解けば唯一無二ともいえる歴史がある。かつて古河藩という日光街道の宿場町があり、蘭学者として名を馳せた鷹見泉石、雪の殿様で知られた土井利位、近年の研究では戦国時代のきっかけとも言われる古河公方も古河が拠点でした。
市民の誇りとなる歴史があるにもかかわらず、認知度が低いという状況がありました。

教育、福祉、保育、イベント…それぞれが抱える課題

町というのは大勢の人で成り立っています。それぞれが抱える課題も様々であり、複雑です。
しかし、どんな課題も紐解いていけばシンプルであり、デザインで解決できるものが多くありました。
そこでシンプルかつ汎用的なデザインのご当地キャラクターを作ることで、それぞれの課題にアプローチしながらも、歴史認知が広がり、市民が郷土愛を持てる設計を目指しました。

デザイン

キャラクターデザイン

歴史×にゃんこで親しみのあるデザインを
歴史は「難しそう」「とっつきにくい」と言われることが多い。
まずは親しみを感じてもらうことが重要だと考え、かわいらしい動物モチーフを採用。

媒体を選ばないシンプルなデザイン
ご当地キャラクターは着ぐるみはもちろん、グッズ、ポスター、飲食物など様々なものに展開されます。
シンプルなデザインをベースにすることで、媒体を選ばずに展開することが可能です。

子供も扱えるデザイン
郷土愛の育成において、子供時代の経験は重要だと考えます。
こがにゃんこのデザインは子供が歴史に親しみを持ってもらうことはもちろん、子供が描けるデザインを採用しています。

フリー素材の配布


こがにゃんこプロジェクトではホームタウンである古河市の市民向けにフリー素材を配布しております。
市民によるフランクな郷土愛の表現をキャラクターを通じてしてもらいたいという意図があるからです。
古河の歴史をテーマにしたキャラクターであるこがにゃんこを使うことで、市民は古河を表現し、郷土愛を発信できます。
特にたかみにゃん石のキャラクターデザインについてはフリー素材の配布を意識したシンプルなデザインで制作をし、どんな媒体にも使いやすいデザインにしています。

なぜ家老の鷹見泉石が殿様より前に出るのか
古河に伝わる「土井の鷹見か、鷹見の土井か」という言葉を表現するために、鷹見泉石をモチーフにした「たかみにゃん石」をコンテンツの中で前に出しています。

殿様ではなく家老であった鷹見泉石を前に出すデザイン戦略は、彼らの関係性の表現であります。
鷹見泉石は「土井の鷹見か、鷹見の土井か」と言われたほど優秀な人物であり、主人である殿様よりも名を馳せた家老でした。
江戸後期、幕末の手前を生きた鷹見泉石は、いわば日本の夜明け前を生きた人物。
激動の幕末に向かう日本を、その知性と情報集主力で道筋を示した鷹見泉石の生き様をデザインで表現しています。

こがにゃんこのミッション

古河のファンをふやす

こがにゃんこのミッションは「古河のファンをふやす」こと。
古河には古くから住まう人たち、古河を愛している人たち、移住後に好きになった人たちがいます。つまりもうファンはいるのです。
では古河に必要なものは何だろう?ファンを作ることではなく、ふやすことではないだろうか。
ファンがファンをふやし、地域にファンがふえ、古河を愛する人たちがふえる。地域のファンが増え、住まう人、訪れる人、遠くから古河を想ってくれる人がふえる。
これこそが人口減少が進む日本において、重要なのではないだろうか。

デザインフロー

基本的なデザインフロー

プロジェクトにより前後しますが、基本的には以下の流れでプロジェクトを進めています。
デザイン思考を大事にし、調査と情報設計、シナリオ制作を重要視します。

  • ユーザー/市場調査
  • 情報設計
  • シナリオ制作
  • ワイヤーフレーム/ラフデザイン
  • デザイン

プロジェクトを進めるためのガイドラインたち

こがにゃんこプロジェクトはご当地キャラクターという性質上、様々な業種と企画を遂行することが多くあります。
企画のアートディレクション、クオリティ管理のためにガイドラインなどを制作し、企画会議から使用しています。

デザインガイドライン

こがにゃんこプロジェクトはホームタウンでの非商用利用に限り無償で使用することができます。
しかし、こがにゃんこプロジェクト本体に関わる企画については世界観を守り、デザインの資産価値とクオリティを高めることが必要であると考え、デザインガイドラインを制作しました。
こがにゃんこプロジェクト本体の企画の世界観とデザインクオリティを守ることで市民が使用するフリー素材の価値も守られるからです。

ご当地キャラクターという地域の人、異業種の方が多く関わるプロジェクトにおいて、デザインガイドラインを定義することは重要だと考えています。


こがにゃんこデザインガイドラインの全文

デザイン評価シート


こがにゃんこはデザイナー以外の人物が企画会議に入ることが多いため、企画の軸とデザインがぶれないようにするためにヒューリスティック評価を参考にしたデザイン評価シートをつくりました。
デザイン評価シートを用意することで、様々な職種の人が参加する会議の場で的確なディスカッションを行うことができ、アウトプットのクオリティも維持することができます。

ペルソナシート


民(ファン)への理解と、コンテンツのクオリティをあげるためにペルソナシートを制作しました。
このペルソナシートは地域とのコラボ案件の際に企画会議で共有しています。
ペルソナシートを共有することで、民と呼ばれるこがにゃんこのファンが求める企画が想像しやすくなり、様々な業種が参加する会議においてターゲットがぶれることがありません。

言葉の定義:民という言葉

こがにゃんこの世界で民とはファンのこと。
ご当地キャラクターという地域とファンを巻き込みながら世界観を紡ぐプロジェクトの中で用語を定義し、民としての体験を作ることでプロジェクトの一体感とユーザー体験を作ることを目的としています。

キャラクター活用例

地域でのこがにゃんこ活用例の一部を紹介します。
こがにゃんこプロジェクトでは企画の上流から入ることで民(ファン)が楽しめるプロダクトを制作しています。

リアルにゃん石


プロダクトオーナー:小太刀御禄
担当:アートディレクション

こがにゃんこのたかみにゃん石の立体化(着ぐるみ)を行いました。
2Dでのかわいさを残しつつ、立体物として成立するようにしています。
現在では古河のイベントへの参加や保育園、病院訪問などを行い、「古河のファンをふやす」活動を行っています。

こがにゃんこクッキー


プロダクトオーナー:社会福祉法人パステル/Kプランニング
担当:パッケージデザイン

社会福祉法人パステルが運営する多機能型事務所たんぽぽにて製造販売している「こがにゃんこクッキー」「こがにゃんこのさしま茶クッキー」のラベルデザイン、アートディレクション、キャラクター提供を行っています。
現在、福祉業界では利用者の工賃向上の課題があります。工賃向上のために、地元の歴史普及活動に取り組みながら自社商品がほしいとの相談をうけてスタートしたのが「こがにゃんこクッキー」でした。

クッキーのレシピにはパティシエの先生に入っていただき、本格的な味わいに仕上がっており、キャラクターのかわいらいさを表現した型抜きクッキーと、地元・古河のいいとこを詰め込んだパッケージは好評をいただいております。
キャラクターデザインがシンプルだからこそできた型抜きクッキーへの応用。
ラベルデザインには古河のいいとこを詰め込むことで、特産品以外でもお土産ものとして市外の方へ贈れるようにデザインしました(現在は特産品であるさしま茶を使った商品も販売しております)
現在は駅ビル、道の駅、観光地のお土産どころなどで販売中です。

こがにゃんこスタンプラリー

プロダクトオーナー:VAL古河駅ビル
担当:デザイン各種、スタンプラリー設計

こがにゃんこスタンプラリーは2016年、2017年と2年連続で開催しました。2回目は約4000人を動員し、たくさんの方々に古河の街を楽しんでいただきました。
メインビュジュアル、スタンプラリールート設計、ノベルティ制作、広告制作(一部他社制作)まで担当。
ベルソナシートやコンテンツ評価表を元に内容を制作。歴史が長く、しぶさある古河の街をこがにゃんこでコーティングすることで、ポップでキュートな歴史イベントとして開催しました。

スタンプラリーのルート設計についてはペルソナシートを参考に、民(ファン)がこがにゃんこの世界観を体感できる場所を設定しました。
また、自身が一度訪問したことがある場所であってもルート決定前に再訪問を行い、写真撮影をはじめとした「体験の再確認」を行いました。
1年目と2年目ではテーマを変更することにより、一部ルートを変更。テーマを変更することで、さまざまな史跡と歴史を紹介できるように設計しました。
古河のように歴史が長く、様々な要素が多い街が歴史イベントを行う場合、全てを紹介しようとした結果、ユーザーにとって印象が薄いイベントになってしまうという現象がおきてしまいます。
1回ずつテーマを決め、ルートを決めることでイベントの情報密度を高め、民(ファン)の印象に残る設計にしました。

宇都宮線沿線上、VAL古河駅ビルはじめ古河市内に多くのポスターや広告が掲示され、こがにゃんこ一色になりました。
デザイン提供も兼ねているため、一部他社制作の広告もあり、数多くの広告が掲示されたことになります。
「古河のファンを増やす」ことが目的のため、こがにゃんこスタンプラリーでは自社制作以外の広告などのデザイン物を解禁。
デザイン物はレイヤーわけされたaiファイルで扱っているため、キャラクター素材の劣化を最小限にとどめるように務めました。


グラフィックデザインのほか、ノベルティデザインやスタンプデザインも行っております。
全てにおいてこがにゃんこの世界観が伝わるよう、既存デザインをそのまま使用せずに媒体にあわせてリデザインしています。
こがにゃんこスタンプラリーは民(ファン)にとってお祭りです。
細部までデザインにこだわることで、民(ファン)のテンションがあがるポイントを増やしユーザー体験の向上をしております。

日光街道街灯フラッグ


プロダクトオーナー:日光街道推進協議会
担当:デザイン

2017年、2018年日光街道沿いに掲示される街灯フラッグのデザインを担当しました。
古河の歴史をテーマにしているこがにゃんこをフラッグデザインにすることにより、古河の歴史が反映されたデザインになります。
しかし、今回は日光街道沿いに掲示されるフラッグともあり、古河の象徴的なデザインを盛り込みました。
古河といえばこがにゃんこのどいしゃむ位のモデルである古河藩主・土井利位(どいとしつら)が日本で初めて研究した雪の結晶(雪華模様)と、どの先祖である古河藩主・土井利勝ゆかりの桃の花。廃城令により取り壊された幻の名城・古河城。

1つの画面で複数の古河のいいとこを知ることができるデザインが完成しました。
こちらのデザインはご好評をいただき、西口商店街振興組合ノベルティのポケットテッシュやポスターなどにも展開されました。

西口商店街振興組合ノベルティ


プロダクトオーナー:西口商店街振興組合
担当:デザイン

古河駅西口は日光街道が通り、江戸時代からあるお店があるほど歴史ある商店街です。
そんな歴史ある西口商店街振興組合のノベルティを担当しました。

歳末セールのノベルティであるクリアファイルは江戸時代から続く冬の奇祭・提灯さおもみ祭りをデザイン採用。
ポケットテッシュは日光街道沿いに掲げられた街灯フラッグのデザインを採用。歴史ある西口商店街振興組合ならではのノベルティが完成しました。

古河市商店街連合会正月ポスター


プロダクトオーナー:古河市商店街連合会
担当:デザイン

古河市内の商店に掲示される正月ポスターのデザインを担当しました。
こがにゃんこの後ろには多くの商店が氏子に入っているという雀神社、「西の富士山、東の筑波山」と言われた茨城の名山筑波山、そして初日の出と地元古河と茨城の縁起のよい景色を盛り込みました。

新年を茨城のめでたいもので迎えることがデザインです。

成人式記念品


担当:キャラクターデザイン提供

2015年成人式記念品デザインに採用されました。
こがにゃんこのフリー素材制度を利用して、新成人により構成される実行委員の方が作ったノベルティです。
フリー素材制度はこのような形で市民の方に利用され、古河っ子たちの郷土愛の表現に使われています。